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グラキリス(現地株コーデックス)の植え替え方法

 

 

 

はじめに

いつもはディッキアの育成方法をメインにご紹介させて頂いていますが、今回は番外編としてグラキリスの植え替えに関しての記事となります。

 

もともと私は塊根植物(コーデックス)に関しては2~3cm程度の実生株を1,2株程度育てるくらいで、サイズの大きい現地株の育成は行っていませんでした。

 

※現地株(球)とはマダガスカルなどの原産地より輸入した、日本ではなく自生環境で育った株のことを指します。

 

コーデックスの堂々とした姿や現地株の野性味を帯びた肌質などには興味があったのですが、何分育成方法にいまいち自信が持てず、購入をためらっていました。

 

そんな私が現地株を育てるきっかけとなったのがKawasemi Garden Caudexline様の店舗へお邪魔させて頂いた事です。

 

 

打ちっぱなしで仕上げたコンクリートの壁、足場材を使用した床、両サイドに伸びたアイアンの棚。

インダストリアルなインテリアの中に、ズラリとグラキリスやエブレネウム、パキプスなどの現地株コーデックスが並んでいる景色を目の当たりにし、その魅力に圧倒されました。

 

店長様に興味はあるが、塊根植物の育成方法に自信がない事をお伝えすると、水やりや管理方法に関して事細かにご説明頂き、塊根植物育成への一歩を踏み出すこととなりました。

 

 

 

※現在、Pachypodium brevicaule(左)とPachypodium eburneum(右)を育てています。

 

私自身はそういった経緯で塊根植物の育成を始めた為、まだ経験としては浅い、塊根初心者となります。

 

なので、ここで紹介させて頂く記事の内容は私の経験ではございません。

 

こちらの記事では、現地株コーデックスの発根管理から育成までを何百株と行ってきたKawasemi Garden Caudexline様よりお話頂いた内容をご紹介させて頂いております。

 

初心者としての視点で、塊根植物の育成方法を皆様にお伝えできればと思いますので、宜しくお願い致します。

 

 

下準備

今回はグラキリス現地株の植え替えを行っていきます。

 

植え替える前段階でのポイントは、

 

①植え替える株の用土を乾かしておく。

②植え替えに使用する用土を乾かしておく。

 

の二つとなります。

 

 

理由はグラキリスの根は細く繊細な為、用土が濡れていると植え替え時に根を土に引っ張られ、切れてしまう為です。

※運が悪ければ、ほとんどの根が切れてしまい発根管理から再スタート、という状況もあるようなのでお気を付け下さい。

 

また、植え替えを行う鉢に用土を流し込む際、水気を含んでいると上手く用土が流れ込まない、といった不具合が発生します。

 

上記の理由から、よく乾かした用土を植え替え時には使用して下さい。

 

 

株を鉢から抜く

株を鉢から抜く際、株と鉢をしっかりと押さえ、動かさないようにします。

これも、グラキリスの根にダメージを与えない為です。

 

株と縁の隙間から、鉢を軽く叩くようにして用土を落としていきます。

 

 

鉢準備

植え付けを行う鉢に対し株の位置取りを行い、植え付け後のイメージを固めます。

 

 

位置が決まったら、鉢の底に網を敷きます。

 

その上に用土を敷くのですが、株と鉢底までの距離が短い(5cm~7cm程度)場合は鉢底石は入れず、用土を直接敷きます。

 

逆に株と鉢底までの距離がある場合は、鉢底石を入れます。

 

鉢に入れ込む順番として、

 

①鉢底ネット

②軽石(ボラ)or 用土

③オルトラン(殺虫剤)+ マグアンプ(緩効性の化成肥料)

④株

⑤用土

 

となります。

 

 

ポイントとして、マグアンプはほんの一つまみ、ごく少量で充分とのこと。

肥料を入れ過ぎてしまうと、枝が伸び、株が不格好になってしまう為です。

 

※グラキリスや現地株に関しては肥料を入れずとも特に問題はないそうです。

※マグアンプは土に混ぜ込まないと効果はなく、植え付けた後肥料を与える場合は用土の上に有機肥料を置くのが良い、とのこと。

 

 

植え付け

敷いた用土の上に株を乗せ、隙間からまんべんなく用土を流し込んでいきます。

 

鉢の側面を軽く叩きながら入れ込んでいくと、適度に隙間が埋まり、用土がスムーズに中へ流れ込んでいきます。

 

※ソイルスティック(植え替え棒)などを鉢の縁に入れ込み用土の隙間を無くす方法はあまりお勧めしないとのこと。土の隙間が埋まり過ぎ、水はけに悪影響を及ぼす可能性がある為です。上記した方法で、用土を沈めていく程度で問題ありません。

 

また植え付ける上で、株を深く植え付ける必要はないこのこと。

外観を重視して、塊根部分をより多く露出させる為に(グラキリスだけに、グラつかない程度に)浅く植え付けても問題はありません。

 

 

化粧土を敷く場合、鉢に入れ込む用土の量を調整し、縁より1cm程度隙間を空けておいて下さい。

 

化粧土は粒の大きさによりますが、厚めに敷くと水遣りによる浮きを防ぐことができます。

 

 

植え替え後の水遣り

グラキリスの植え替えは基本的に成長期に行います。

季節は春~秋にかけて。

※平均気温25~30℃を目安として下さい。

 

その場合は、植え付け後に水遣りを行います。

 

 

水量は鉢底から流れ出す量を、存分に。

目的としては、鉢内の余分な用土や微塵を取り除くためです。

※使用している用土を事前にふるいにかけている場合でも微塵は出る為、水遣りは行います。

 

微塵が固まると、水はけが悪くなり、育成に悪影響となります。

 

水遣りのはじめ、鉢底から色のついた水が出てくるので、無色になるまで行います。

※水遣りを行う際は、株の頭からかけても問題ありません。

 

植え替えを成長期でない時期に行う場合は、植え替え直後の水やりは控えて下さい!

※2~3日程度、明るい日陰で管理をし、上記の方法で水やりを行います。

 

成長期でない時期に成長期と同様の植え付け後の水遣りを行うと、高確率で株にダメージを与え、最悪の場合根腐れを引き起こす可能性もあるのでご注意下さい。

 

※但し、室内管理を行っており、室内気温が25~30℃程度ある場合は、成長期と同様の水遣りで問題ありません。

 

 

最後に

 

以上、グラキリスの植え替え方法を紹介させて頂きました。

 

今回ご教授頂いたKawasemi Garden Caudexline様では、多種多様な現地株の塊根植物を取り扱っております。

魅力溢れる信頼性の高い株を取り揃えてられており、購入後のアフターフォローや対応も非常に丁寧に行って頂けます。

 

※私が現在育てているコーデックスは全てKawasemi Garden Caudexline様より購入させて頂いたものになります。

 

当サイトのトップページからもアクセス可能ですので、お時間ある際はぜひ覗かれてみて下さい。

 

 

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ビザールプランツと呼ばれる珍奇植物を中心テーマに植物用品をデザイン・制作するクリエイターチーム。"人の手で生み出す造形"をコンセプトにプラスチック鉢や陶器鉢、シルクスクリーン、刺繍ポスターなどを商品展開。Dyckia・Agave・Caudex・Euphorbia・Cactus・Bonsai…。多種多様な美しい造形をした植物のある暮らしをデザインする。それが私たちの仕事です。

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