D.I.P.

鉢の色に関して

 

現代において「強く美しい色」「都会の保護色」と呼ばれる黒という色。

 

ただ黒という色は元来、死や罪、過ち、不安、恐怖、抑制という暗く冷たく閉ざされたイメージのつきまとう色だったそうです。

 

そんな黒のイメージの転換が行われたのは80年代。

 

きっかけは豪華で鮮やか、きらびやかな色やデザインこそ美しさや強さの象徴だったパリコレに黒を基調としたコレクションが投げ込まれた出来事でした。

 

コレクションを発表したデザイナーは日本人。

 

それは「黒の衝撃」と呼ばれファッション業界をを震撼させました。

 

しかしコレクションを見たファッション評論家や記者の多くが批判的で「これ以上ないほど貧乏に見せたい人のスタイル」なとど言われることもあったそうです。

 

賛否両論飛び交う中、デザイナーはコレクションの中で黒の持つ精神的な強さと美しさを主張し続け、その果てにブームを引き起こし、黒という色は現代において「美しく強い色」として受け入れられるまでとなりました。

 

そのような背景からD.I.P.では自身の価値観を信じ貫く、その主体的な強さを象徴する色として「黒」を捉えています。

 

鉢はいうなれば自然界を生き抜くた独自に進化してきた植物たちが着る「服」のようなもの。

 

D.I.P.では機能的な役割だけでなく、人が服を着ることで自身を表現するように、植物が発する様々なエネルギーを表現する一つの大きな要素だと考え鉢の制作を行っています。

 

その鉢の色として「黒」を使用するのは、その色が持つ背景も含め、主役である植物の持つ生命力や強さ、美しさをより鮮明に際立たせる事ができると考えているからです。

 

鉢は植物を植え付け育てるためのもので、植物を育てる事は生活の中でのほんの一部分でしかありません。

 

ただその中で植物に触れ、黒に触れる事で、元気が出たり勇気づけられるものを感じ取って頂くことができるのではないかと思っています。

 

強く美しく、自由で新しくある事。

 

D.I.P.の鉢が物言わぬ植物たちが発するエネルギーやメッセージを受け取る手助けとなることができれば、とても嬉しく思います。

 

 

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